500万以下で中古住宅を買う方法。探し方から注意点まで詳しく解説します。

こんにちは。IKEOJI(イケオジ)と申します。

500万円以下で中古住宅を購入する方法について解説したいと思います。私自身、中古住宅を専門で取り扱う不動産会社に勤めており、現在は趣味でブログを書いています。

そして実際、私個人でも500万以下で中古物件を購入しました。不動産会社での経験、自身で購入した経験をもとに読者の方の参考になればと思い記事を書いています。

IKEOJI(イケオジ)の簡単な自己紹介です
  • 中古住宅専門業者にて500件以上の売買実績
  • 個人の家の500万以下で購入
  • 1000件以上の中古住宅を調査経験あり
  • 趣味はブログでこれまでの経験を発信すること

500万円以下の物件の特徴

500万円以下の戸建てがどのようなものなのか、これまで数百件の500万円以下の物件を調査した経験と、実際に個人的にも購入した経験をもとに解説します。

みなさんもご存知かと思いますが、500万円以下で売っている物件には「それなりの理由」があります。。(汗)

しかしながら、その理由が人によっては許容できる範囲の場合もありますし、多くの人がマイナスだと感じているが、調べてみると大きなマイナスではなかった。ということもあります。

また、ひとつのマイナス要素さえ解消されれば、資産価値の高騰するという物件も多々あります。

ここからは、1戸建て、マンション、それぞれ500万円以下で売っている物件はどんなものなのか解説します。

500万円以下の一戸建て

500万円以下の戸建てがどのような状態の物件なのか解説します。

結論からいうと何かしらのマイナスは必ずあります。何かしらのマイナスがない物件は通常500万円以下で売られることはないため、必ずあると思ってください。

関連記事:【個人ブログ】買う前に見て!中古一戸建て購入のデメリット【4選】

再建築不可

再建築不可とは、現在建てられている建物を解体しても、新たに住宅が建築できない物件のことです。再建築不可の物件は「都市計画区域」と「準都市計画区域」に存在する建物で、建築基準法における接道義務を満たしていない物件です。

簡単にいうと、国に認められた道路と物件の土地が2m以上接していないと建築ができません。しかし、なんらかの理由によって2m以上道路と接していない、あるいは全く接していない場合は再建築不可です。

  • 道路と接しているが、その道路が幅員4m未満になっている
  • 道路とまったく接していない
  • 道路と接しているが、接する幅が2m未満になっている
  • 道路が建築基準法上、認められていない道路になっている

500万以下の物件は再建築ができない場合が多く、買い手にも人気がなく売主側も困っているケースが多いため安くなっています。

築年数がかなり古い

500万円以下で販売している物件は、築年数がかなり古いことが多いです。

土地の資産価値もかなり低く、建物の値段がまったく付いていない状態なので安くなります。売り主側に解体する費用が払えないケースや建物に思い入れがあり壊せないケースなどあります。

築50年以上経過していて、かつ過去にリフォームした履歴がないような物件は、リフォームをしなければ生活できない状態である可能性が高いです。そのため、最低限住める状態にするためのリフォーム費用は見積もっておきましょう。

権利関係に問題がある

権利関係はしっかりと事前に確認する必要あります。よくあるケースとして以下が挙げられます。

  • 抵当権がついている
  • 前面道路の所有権を持っていない
  • 水道管が隣地を通過して個人的な支払い契約がある
  • 農地法の対応が必要
  • 借地権になっている

これらは特によくありますし、トラブルに発展するケースが多いため必ず確認します。仮に抵当権がついたまま買主へ引き渡された場合、売主の返済が滞ると対象不動産が競売にかけられてしまう可能性があります。

また周辺環境にも不動産の権利関係は影響するため、近隣とのトラブルになる元はないか、不利な契約状況になっていないか確認しましょう。

注意点としてポータルサイトや物件情報に書いていないこともあるので、契約する前に不動産担当者に確認してもらうようにしましょう。

500万円以下のマンション

500万円以下のマンションがどのような状態の物件なのか解説します。こちらも戸建て同様、何かしらのマイナスは必ずあります。マンションと言えど買って後悔するというケースは多くありますので、以下のことに注意しましょう。

管理状態がわるい

500万円以下のマンションの場合は、管理状態が良くないケースが多いです。マンションの管理形態は一般的に2通りあり「管理会社委託」と「自主管理」です。500万円以下のマンションの場合は「自主管理」の形態をとっていることが非常に多いです。

自主管理とは所有者自らがおこなう管理形態です。そのため居住者、管理者によって状況が変わり「当たり外れが大きい」という特徴があります。たとえば自主管理でも素晴らしい管理状態で、かつ修繕積立金や管理費が安いといった大きなメリットをもたらすこともあります。

関連記事:【要注意!?】買う前に知っておきたい中古マンションの事例【6選】

しかし、管理会社と違いムラがあるため、良くない管理状態の物件を買ってしまうとトラブルに巻き込まれたり、積立金が思わぬ使われ方をしていたり、清掃などの定期清掃をしておらず建物の状態が悪いといったケースもあります。

500万円以下のマンションは、後者の可能性も非常に高くなりますので十分注意しましょう。

構造上に問題がある

500万円以下のマンションは、ほとんどの可能性で旧耐震マンションです。旧耐震とは、1981年6月1日以降の基準を「新耐震基準」とし、それ以前に建築された建物です。旧耐震の場合、震度5では倒壊しないと言われていますが、実際はわかりません。

私が経験したことがある旧耐震マンションで最も危険度が高かったのは、傾きがあるマンションです。地盤沈下もしくは施工不良によってマンション全体が傾いており、修復が負荷だったマンションです。マンションを「耐震化(耐震診断+耐震改修工事)」するためには、多額の費用がかかります。潤沢に修繕積立金がなく、かつ構造上に問題がありそうな物件は、なるべく避けましょう。

傾き計測器を所持していれば、簡単に室内で測ることができますので心配な方はなるべく活用しましょう。

日当たりが悪く室内まで影響を及ぼしている

私の経験上、500万円以下のマンションは日当たりが悪いケースが多いです。たとえば1階の部屋だが半分地下のような構造になっていて日当たりがまったくないなど。

ポータルサイトを見ても500万円以下のマンションに1階が多い理由は、以下の理由で売れ残るからです。

  • 日当たりが悪く部屋にカビが発生しやすい
  • 人通りが多くプライベートが保たれない
  • 空き巣に入られやすい
IKEOJI
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私が購入した分譲マンションの最安値は200万円です。ご紹介した特徴はすべて網羅しており、なおかつ再販売をする前提でリフォームもしましたが日当たりが悪いためにカビが生え続けて、まったく売れませんでした。涙

日当たりが悪いということは鉄筋コンクリートの場合とくにマイナスになりやすいので注意して購入するようにしましょう。

500万円以下でも良い物件を探す方法

良い中古住宅の定義は”不動産価値と販売価格が見合っているか”という点です。

簡単にいうと売る時も損をせず、安全に住める物件なのかどうかという点です。今回の物件は、再販売価格を自分で計算したところ、リフォームをしなくても少し綺麗に掃除をすれば800万では売れそうという点で、すごく良い物件だったと評価しています。

ポータルサイトで見つける

まず中古住宅を探す上で一番良いポータルサイトは「アットホーム」です。別の記事でも解説していますが、アットホームはポータルサイトでも中古住宅取り扱いの歴史が古く、地場の不動産会社(昔から経営している地元の不動産業者)も多く掲載しています。

そのためスーモや他のポータルサイトには載っていないお宝物件が掲載されていることが多いです。意外かと思いますが、中古住宅を買い取る業者もアットホームを見て買い付けを出すこともよくあります。

アットホームで条件を絞って、安くて状態が良さそうな物件をいくつかピックアップして内覧をして、本当に不具合がないかを念入りに調べます。(買うまでに3回は内覧させてもらいました)

土地から探してみる

探す条件を「500万円以下 中古住宅」から「500万円以下 土地」という検索方法に変えることで、いままで見つけられなかった建物が見つかるかもしれません。

土地として販売されているが「建物解体予定」となっているケースも多々あります。また、建物をそのまま使うことで、売り主側の解体費用が浮くため安く購入できる可能性もあります

もし良い中古住宅が見つからない場合、土地から探してみるのもありだと思います。

地元の不動産業者に聞く

田舎の場合はとくに、表に出る前の物件情報を仲介業者が持っていることが多いです。表とはポータルサイトに掲載される前の物件です。昔からつながりのある売主や事業者から相談をされて、掲載ができてないが売る準備をしている物件情報を持っています。

実際は複数の仲介業者に声をかけて、色んな情報が入る状態にしていました。

最初はすぐに決めずに、情報収集と地元業者とのネットワークを築きましょう!

「これから出そうな物件ってありますか?」と質問をし、現在はそのような物件ない場合でも「出てきたらすぐに教えてください」とお願いしておきましょう。

そうすることで優先的に情報共有してくれるので、あらかじめ頼んでおくと良いです。この作戦でいくつか見せてもらいましたが、最終的にはアットホームで見た物件を購入しました。

500万円以上の物件を交渉する

500万円以上の物件を交渉することで良い物件が手に入る可能性があります。正直この方法が一番、良質な物件を安く買うためには良いです。

しかしそのためにはある程度、交渉材料が必要になってきます。たとえば以下のような状況であれば交渉の材料になるかもしれません。

  • 1年以上売れておらず、売主が困っているケース
  • 土地として売っているが建物もついているケース
  • 自身が現金もしくはローン審査通過済みのケース

ざっと出してみましたが、一番交渉できる可能性が高いのは「1年以上売れておらず、売主が困っているケース」です。

この場合売主側としては「早く現金にしたいが中々売れない」と売却活動自体に疲れ果てていることがあるので、多少値引きしてでも精神的な疲れを考慮すれば飲んでも売るべきとなる可能性があります。

500万円以下の物件を買うときの注意点

ここからは実際に購入する上では何を気をつけたほうが良いのか解説します。500万円以下の物件を購入する場合、気をつけるべき点はたくさんありますが、その中でも特に注意したい点について解説いたします。

重大な欠損がないか確認する

まず中古住宅でかつ築年数が20年以上経過している物件には、瑕疵がある前提で内覧をしてください。雨漏り、傾き、シロアリ被害などを念入りにチェックして調べましょう。

私の経験上、調べると7割くらいの物件には大なり小なり瑕疵はあります。今回購入した物件も雨漏りとシロアリ被害がありました。しかしすでに修繕済み、もしくは軽微な被害でこれから広がる様子もなかったため購入を決断しました。

雨漏りの見つけ方については「【中古で買った家がさっそく雨漏り。。】原因と対応策をわかりやすく解説します」にて解説しています。

しかし瑕疵の状態がひどい場合、完治できないか最悪のケースとして解体しないといけないということもあります。構造上重要な躯体(木部躯体)がシロアリによって弱っているケースや、雨漏りが長年放置されすぎて、あらゆる柱が腐ってしまっている場合もあります。

中には傾きがひどく、地盤沈下が起きている物件もありますので瑕疵については疑いをもって念入りに調べましょう。

再販売可能か確認する

500万円以下で購入する場合でも、再販売(出口)を考えて購入することは非常に大切です。なぜなら額面自体は安いが、価値としては0円に近しいという物件も多く存在するからです。

厳密にいうと土地には坪単価があるので0円という事になりません。しかし、たとえ安くても買いたくないと思う方が大勢の場合、市場からみた価値は0円に近しくなります。

私が過去に経験した話です。分譲マンションの販売価格を売り出しておりぜんぜん買い手がつかないので、ついには100万円に下げましたが売れませんでした。なぜでしょうか?

それは分譲マンションには修繕積立金と管理費がかかるため、たとえ安く買ったとしても月々の支払いは発生するからです。

当該マンションは修繕積立金18,000円、管理費10,000円で内装は荒れており、1階、日当たりは良くない物件だったため、買い手としては「せっかく現金400万円で買うのに、結局月々28,000円もかかるの?だったらもう少し良い物件でローン組んだほうが良くない?」となるわけでうす。

これ以上価値が下がらないからと油断していると、売れない。でも月々の支払いは続くという状態になるので、注意して購入しましょう。

リフォーム費用の概算を出しておく

出典:国土交通省土地・建設産業局不動産業課 住宅局住宅政策課『期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について』

上記はあくまで目安ですが、体感値としても大体の住宅設備が15〜25年経過したあたりから、何かしらの修理が必要になったり、交換を余儀なくされるケースが多いと思います。

中古住宅の場合、おおむね15年以上経過しているものが多いため、リフォームをしていない住宅の場合は、住み始めてからリフォーム費用がかかることを想定しておいた方が良いでしょう。

リフォーム費用の相場としては以下です。

  • キッチン交換50〜200万
  • お風呂交換50万〜150万
  • トイレ交換10〜50万
  • 洗面台交換10〜50万
  • 外壁塗装100〜200万

グレードによってバラつきはあるものの、リフォーム無しで築年数が15年以上経過している物件であれば住み始めてから10年以内に最低でも100万以上のリフォーム費用は発生してくると想定した方が無難かと思います。

まとめ

今回は500万円で物件を買う方法について解説をしました。

500万円以下のマンションには夢があり、これ以上価値が下がる可能性が少ないのでリフォームなどでうまく付加価値をつけることができれば高値で売却できる可能性もあります。

またマイナスポイントを考慮することができれば、住む場合でも非常に良い買い物となるでしょう。これから500万円以下の物件を狙う方は、本記事を参考にしながら探してみてください。

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