こんにちは。IKEOJI(イケオジ)です。
私はもともと不動産買取再販業者として長く従事しており、中古住宅売却に関する戦略については真剣に向き合っておりました。
今回は「3階建ての戸建て」についてお話しますが、前提として私は3階建ての売買も経験しつつ、実際に今住んでいる住宅は3階建ての住宅です。
実際に住んでいる目線と実際に売った目線、両方から語らせてもらいます!
- 中古住宅の売主として500件以上の売買実績
- 個人でも中古住宅売買経験あり
- 1000件以上の中古住宅を調査経験あり
- 趣味はブログでこれまでの経験を発信すること
3階建ての家に住んで実際に後悔したこと
- 上下の移動が大変
- 家事の動線が悪い
- リビングを通らないと行けない部屋がある
- メンテナンスやリフォーム費用が高額になりがち
実際に3階建てに住んでいる人はどのようなことに後悔しているか解説します。
冒頭でもお伝えした通り、私はいま3階建てで生活を送っています。実際はそれなりに快適なのですが、やはりデメリットもあります。率直な感想としては次に住むなら3階建てではなく2階建てもしくは平屋を選ぶと思います。笑
まずは中古住宅販売のプロとしてではなく、3階建て居住者として解説します。
今回の記事は3階建てをこれから売却しようと考えている人に向けた記事です。そのためまずは買い手の気持ちが理解しやすいように、居住者のフラットな感想について書いていきたいと思います!
上下の移動が大変
上下の移動が多いというのはひとつのデメリットになります。私の家は1階が洋室、2階がリビング、3階が寝室になるので1日のうちすべての階へ上る必要があります。元気な日は良いのですが、疲れた日やお酒を飲んだときなどは辛いと思うことの方が良いです。
慣れる頃には歳を重ねてさらにシンドくなってくるかもしれないので、次に住む場合は2階建てか平屋が良いと思っています。
家事動線が悪い
家事を普段行う方はこの家事動線を意識した方が良いです。家事動線とはキッチンや脱衣所、バルコニーなど家事をする上で必要になる箇所の移動経路のことです。我が家の場合は1階が洗面所、2階にクローゼットという間取りになっているので、1階で洗濯をし、2階で洗濯を干し、3階のクローゼットへ収納する動線になっています。そのため、すべての階を使わないと洗濯ができず苦労しています。
またトイレが1階と2階にしかないので寝室からトイレに行く場合は下まで降りないといけないので大変です。3階建ての場合はとくに家事動線を気にした方が良いでしょう。
リビングを通らないと部屋にいけない
1階もしくは2階にリビングがある場合は、リビングを必ず通らなければいけないような間取りになりやすいです。3階建ての多くは部屋内を通って次の階へ移動することが多いです。誰かを招く場合はリビングもキレイにしておかなければいけなくなるので、人が多く出入りする場合は2階建て住宅が良いでしょう。
1階にリビングがあれば、廊下を通って別の客室へと案内ができたり、リビングを通らずに各部屋に行けます。3階建ての場合、坪単価が高い立地で土地面積が広く取れない場所に建てられることが多いため、必然的に2階部分全体がリビングになりやすい傾向があります。
3階に熱がこもりやすい
熱は高いところに集まりやすくなっています。そのため3階建ての場合3階部分が非常に熱くなりやすいです。また日光が屋根に当たりその輻射熱が建物内の気温をさらにあげます。
冬場は1階よりも暖かくて快適ですが、夏場は地獄のような暑さになりエアコンも効きづらいです。寝室が3階建てにある場合は暑さ対策をしっかりした上で購入しなればなりません。
メンテナンスやリフォームの費用が高額になりがち
メンテナンスやリフォーム費用になりがちなのは言うまでもありません。たとえば外壁塗装を行う場合、3階まで足場を用意する必要があり2階建てよりも大幅に高くなります。
また室内に関しても天井が高い部分があれば内部足場が必要になる場合があるので、内装リフォームも高くなる可能性が高いでしょう。
3階建ての家が売れない理由は?
つぎに3階建てが売りづらい理由について解説します。
次は居住者としてはではなく、中古住宅売買のプロとして解説します。
ちなみに3階建てを買った経験は10件程、売った経験は5件ほどです。受けた印象としては、”買うときは高くて、中々売れないという印象を受けました。
関連記事:【完全版】家の売却でやってはいけないこと10選!注意点や準備しておくことについて解説
ターゲットが限定的
ターゲットが限定的であるという点は、売れない理由のひとつだと思います。3階建てしか嫌だ!という人はそもそもあまりいません。「できれば2階建てか平屋がいい。でも希望の場所に3階建て住宅しか無いなら仕方がない」という方が多く、優先的に3階建てを希望する人はあまりいません。
- 高齢者とは同居しない方
- 上り下りが苦には感じない方
- 希望エリアに2階建てがない
このように条件がクリアできる人に限られてくるので、2階建てよりも売りづらいのだと考えます。
敷地が狭く駐車場が1台分しかない
3階建ての特徴は「良い立地にある」ということです。3階建てにする理由として「土地は高くて広くできないが、建物の面積はある程度確保したい」というものが多いです。そのため、あまり広くない土地で居住スペースをなるべく確保したいので、駐車場部分の敷地が削られます。
3階建てを購入する人の多くはファミリーです。ファミリーの場合、車を2台持つ世帯も多いため敷地内に駐車場が1台しかないというのはマイナスになります。
使い勝手の割に高額になりがち
3階建ては2階建てに比べると使い勝手が悪くなります。1フロアあたりのスペースが限られてくるので、同じフロアに家事に必要な部屋が揃っている2階建てと比べると、移動が多くなり部屋の使い勝手が悪くなるわけです。
さらに先ほど申し上げた通り、坪単価が高い良い立地に建てられることが多いので相場としては高くなるのです。そうなると買い手からは「もう少し土地の安いところで使い勝手の良い物件がいい」という考えになり、他の物件にいってしまいます。
メンテナンス費用が高い
これは買い手としても想像できるデメリットです。一般的に中古住宅を購入する人は”リフォーム済みの物件か、自分達でリフォームすることを前提として買う方のどちちらかです。後者の場合、購入前にリフォーム金額の概算を出すと思った以上に高くなり、断念するケースも珍しくありません。
そのほかにも購入後のメンテナンスに費用がかかる可能性があります。配管の組み方が2階建てとは違っていたり、雨漏りが発生した際に特定が難しかったり、2階建てよりも構造上メンテナンス費用が高くなる場合があります。
メンテナンス時期は「住まいのメンテナンススケジュール – 住宅産業協会」をご参照ください。
耐震性に不安を覚える
正直、3階建てといえど耐震性に大きな差はありません。しかし建築事情に詳しい方でない限り、高い建物は揺れやすく倒壊しやすいというイメージを持つことは自然です。近年特に地震におけるリスク回避の動きが高まっているため、できれば避けたい思う人も多いというわけです。
3階建ての家を売却する方法
3階建てを高く売る方法は、3階建てならではのデメリットや不安点に対してしっかりと対策しておくことが重要です。3階建ての家は良い立地にであることが多いため、デメリットがなくなるだけで大きく価値があがります。
耐震診断をしておく
耐震診断は建物の耐震性能を評価し、地震に対する建物の安全性を調べます。建物内部の構造物を調査し柱や梁、壁などの状態を確認したり地盤の種類や強度を調査します。
建築士や土地家屋調査士が決められた診断をおこない、最終的に耐震診断レベルが耐震診断結果報告書として提出されます。耐震基準に問題がない場合は、買い手の安心材料にもなるので予め取得しておくことも手段の一つです。
3階建てにした理由を不動産業者に伝えておく
3階建てにしたポジティブな理由があれば、販売してくれる不動産業者に共有しておくことも手段のひとつです。たとえば「眺望が良いから3階建てにした」「収納スペースを確保したかったら3階建てにした」など3階建てを選んだにはいくつかのメリットがあります。
そういう売主のポジティブな動機は、買い手にとってはかなりプラスに働きます。買い手と直接触れる不動産業者に共有して内見時に伝えてもらいましょう。
買取業者に相談する
買取業社に相談をして売却可能金額を確かめましょう。買取業者の多くは買い取った後にリフォームして付加価値をつけて再販売をします。良い立地の物件をリフォームすることでかけた費用以上の価値が出ますので、買取業者も高く買ってくれる可能性があります。
まずは無料の査定を依頼して、いくらで買い取ってもらえるか確かめます。急いでいる場合はそのまま売ってしまってもいいですし、そうでない場合は、買取を一旦保留にして「買取金額よりも3割程高い金額」で一般の方へ向けて販売しましょう。
関連記事:【2023年】家を売るならこの会社!高く売れる不動産の買取業者8選
暑さ対策を施しておく
夏場に3階建ての一戸建てを売却する場合は、エアコンなどを3階に設置して暑さ対策をしておきましょう。エアコンが3階についていれば内見時に不動産業者が事前にエアコンをつけておくことが多いので、あまり衝撃的な暑さは感じません。
また余裕がある方は耐熱性の窓ガラスなどを設置したりすることで暑さを緩和できます。数10万円の費用がかかってしまいますので、費用対効果を確かめながら行いましょう。
まとめ
以下、振り返りができるように改めて目次のリンクを貼っておきます。
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